婆娑羅
「婆娑羅(ばさら)」は時代の流れの中で反抗精神から生まれた日本の美徳であり、
その精神は「傾き」へと受け継がれ、のちに出雲阿国によって「歌舞伎」へと継承され、芸能の中に生き続けています。
また、ブランド名である仁心(にこ)は、「じんしん」という言葉でもあり、
深い愛情をもって思いやる気持ち、人を愛する心を意味します。
「周りの人と違う個性的なものを選ぶ」という主張的な側面が弱くなってしまった現代、
日本を愛し、日本人を愛し、「個性的」な自分を愛してください。
創業100年の決意
静岡県は東西に広がる地形で、東海道五十三次の宿駅が多く存在し、文人や墨客が訪れて伝統工芸を広めました。
駿州では徳川家康隠居城である駿府城に隣接する浅間神社造営に際し、全国の名工が招聘され、現在の静岡市の伝統工芸の基盤が築かれました。遠州の浜松も織物産地として知られ、優れた伝統工芸織りが生まれました。
しずおかで生まれ、しずおかで育ち、一世紀以上にわたり歴史と実績を重ねてきた『fujitaya』は、郷土が育んだ伝統技術と熟練職人の手仕事が随所に込められた逸品を未来に残していきます。
ハンドメイドイン静岡
傘づくりの技術を習得し制作に励む中、静岡には実に多彩な伝統工芸品があることに気付きます。
優雅で雅やかな雛具・雛人形・蒔絵・漆器、自然の風合を生かした織り・染物、日常雑貨の価値を持ちつつ洗練された美しさを有する陶器・指物・各種木工芸製品等、それぞれが伝統技法にそって現在も脈々と受け継がれています。
そして、『仁心』の傘づくりを通して、長く続く静岡の伝統産業の魅力を伝えられたら・・・という思いが芽生え、「ハンドメイドイン静岡」のものづくりが始まりました。
自然景観に恵まれ、人情味豊かな静岡の伝統技術を取り入れた逸品を、全国、そして世界に紹介していきます。
天気を楽しむ
いにしえの日本人は自然を観察し、身近にあるささやかな幸せに目を向け、毎日のくらしをより豊かに楽しんできました。
陽が出ることに感謝し、雨が降れば喜ぶ。桜の開花、蝉の初鳴きも然り。
自然との強いつながりを持ち、自然を尊重し、その一部として生きてきた日本人ならでは向き合い方です。
そんな日本人としての感性で「天気を楽しんで欲しい」
仁心は毎日の暮らしをより豊かに楽しんでいただくために、傘を持つ方のご希望にセミオーダーという形でお応えします。
タイムレスなデザインで、開けばわくわくと心踊るような特別な傘をお仕立てします。
Naming & Logo
時代が移り変われども、同じ日本人が物事に対して感じる日本の伝統的な美意識(美の概念)。
人を愛する心と、日本人としての個性から生まれた「仁心(にこ)」。
「仁心(にこ)」に込めた想い
仁心(にこ)は、「じんしん」という言葉でもあり、深い愛情をもって思いやる気持ち、人を愛する心を意味します。「周りの人と違う個性的なものを選ぶ」という主張的な側面が弱くなってしまった現代、日本を愛し、日本人を愛し、「個性的」な自分を愛してください。
Traditional Crafts
静岡には、豊富な自然資源、伝統的な技術を活かした数多くの地場産品があります。
徳川家康が晩年を送った駿府では、静岡浅間神社や久能山東照宮の造営のため、全国から優秀な職人が集められ
今も、この地に住み着いた職人たちの技術は脈々と受け継がれています。
浜松注染そめ
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大正初期、遠州織物が発展して注染の浴衣地が生まれました。注染は日本独自の染色技法で、表裏全く同じ色に染色されます。また、水ぼかしにより優しい風合いを表現する事ができることも特徴の一つです。清水で洗い天日乾燥をするため、やわらかく肌に優しく、通気性がよい生地になります。浴衣の他にもシャツや手拭いなどにも加工されています。
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注染そめの美しい染め色は青空によく映えます。
生地本来の風合いはさることながら、日傘に大切な涼感も感じられます。
生地に表裏がないので、傘を差す人からも表側と同じように色柄を楽しめる魅力的な生地です。華やかな色合いと、生地屋さんオリジナルの型から生まれる自由な楽しい柄にも惹かれます。一反で三本しかつくれないので、大量生産品にはないオリジナリティあふれる傘に仕上がります。
遠州綿紬
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江戸時代から織り始められた遠州綿紬は、浜松繊維デザインのルーツと呼ばれる織物です。四季を感じる日本の色を使い、凹凸感のあるネップ糸やスラブ糸などをタテ糸とヨコ糸に使うことで、温かな風合いを持つ織物になります。また、ケミカルな加工をしなくてもUVカット率約95%、遮光率 96% 以上という日傘の生地にふさわしい優れた素材です。
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遠州綿紬は既に県内外でも注目されている有名な織物です。
仁心の素材として選んだのは、時間と愛情をかけてゆっくりと多彩な糸を使って織り上げられるので目が細かく、豊富な縞のバリエーションが生まれるからです。個性豊かな縞模様から、お客様にぴったりな生地を選んでいただけることは仁心にとっても嬉しいことでした。また、傘の生地として張ると、モダンで凛とした印象になるのも魅力の一つです。より目の細やかな、傘に合った生地を模索したどり着きました。
静岡挽物
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挽物(ひきもの)とは、轆轤などを使用して刃物で木を加工した製品のことを指します。昔から木製の玩具や胡椒引きなど、丸みのある木製品のほとんどに挽物の手法が用いられています。基本的な手引き技術による生産は減少傾向にありますが、現在ではデザイナーとのコラボレーションやインテリア製品を制作するなど、生活スタイルに合わせた製品を世に送り出しています。
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仁心の特徴的な手元は静岡挽物で作られています。静岡市における産業としての挽物の起源は1864 年(元治元年)とされ、その技術は古くから多くの日用品に使われ愛されてきました。そんな技術だからこそ手によくなじみ、ご愛用いただくうちに変化する色味や木の質感をお楽しみいただけます。傘自体の美しさを引き立てる、滑らかで美しい曲線が魅力です。
駿河蒔絵
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蒔絵とは、漆を塗った製品に金や銀などの粉を蒔 ( ま ) いて絵や模様を描くものです。静岡はもともと気温や湿度が漆塗りに適しており、駿府城や静岡浅間神社の造営のため全国から集められた職人が地元の職人に漆塗りの技術を伝えたとされ、高い技術を持った職人が多かったと言います。特に雛具は一つ一つ本物の家具調度品と同じ工程で造られることで有名です。現在はアクセサリーや下駄、盆、花器など多くの日用品にも描かれています。
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挽物で作られた滑らかで美しい手元に丸い玉のようなデザインをしたのは、この蒔絵をあしらうため。ファッションアイテムとしての傘を意識したとき、宝石のような蒔絵は仁心の日傘に欠かせません。高級感増す贅沢な輝きは白、黒、赤、紫、藍、青、緑から生地に合った色をお好みでお選びいただけます。
部材供給元
生地
- 浜松注染そめ・遠州綿紬
- 白井商事株式会社
- 遠州綿紬
- 有限会社ぬくもり工房
手元
- 静岡挽物
- 白鳥工房
手元の漆塗り
- 静岡蒔絵
- 諸井治郎
敬称略
Manufacturing process
傘づくりの工程は、細かい作業をいれると100以上あります。
藤田屋では、分業が多く細かい傘づくりを一貫して職人がすべて手作りしています。
ひとつひとつの丁寧な作業を積み重ねて手作りの傘が出来上がります。
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反物・生地の選択
傘にするための生地の選定を行います。
仁心の日傘は遠州綿紬、浜松注染そめの反物を使います。 -
裁断
傘の型紙に合わせて生地を裁断します。
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柄を合わせる
傘の生地を組み合わせて、より傘が美しく見える柄の見え方を模索します。
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縫製
専用のミシンを使って傘生地を縫い合わせます。
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中綴じ
一針一針丁寧に縫いつけ、心を込めて仕上げていきます。傘をより美しく見せる細やかなパーツも丁寧に作ります。
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手元づけ
中棒に糸を巻き、ボンドを付けて、向きを正しく取り付けます。
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完成
全ての部品を組み終えると、静岡の伝統工芸の高級感と独自性のある日傘の完成です。
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